【米国株_金利と株価】を学ぶ
【前書き】
昨今はツイッターで有益な情報が流れてくる時代です。
今日は、実力派投資家のツイートをもとに、
「金利」と「株価」
を勉強し、自身の解釈なども加えたいと思います。
金利上昇はグロース株にネガティブ
なぜ、グロース株に金利上昇がネガティブなのか?
明快に解説してくださった方がいます。
@joker_inves さんです。
下記の通り、スレッドを引用します。
米国10年債、米国30年債、金利が上昇してきましたね。
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
金利が上昇すると、株価には悪影響と言われることが多いですが、その理由を簡単に説明してみます。
ポイントは、金利が上昇すると、「今現在手元にあるお金の価値が上がる」という点です。#金利と株価
2020年のコロナショック以降、まだ傷の癒えない実体経済と反して、
株価(米国株主要指数)は上昇を続けて最高値も更新しました。
これは、異例の経済支援策により世の中のおカネの総数が急激に増えた(お金の価値が薄まり、下がった)ので、相対的に株が高くなったという側面があります。
そして現在、歴史的にも低金利が続いていますが、金利が上がればお金の価値が上がります。
株価と金利の関係でよく使われる表現として
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
①リスク資産の株から、安全資産の国債へ資金が移動する
(株が売られて、国債が買われる)
②現在価値を算出する際の、割引率が高まる
ということが言われます。
この2つは、「今現在手元にあるお金の価値が上がる」を別の表現に変えただけです。
①株→国債
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
これについては、説明不要と思いますが、リスクフリーで得られる金利が増えるので、危ない株なんか売ってしまって、そのお金で国債買おうよ、っていう話です。
株→国債、という資金移動のプロセスで、当然、株は売られて値段が下がり、国債は買われて価格が上昇するというわけです。
株はリスク資産の中でも歴史があるとはいえ、国債ほど安全な資産ではありません。
バックに会社が付いているか、それとも国が付いているか。
会社がつぶれるか、国がつぶれるか、どっちのほうが起こりやすいか?
ふつうは国のほうが、つぶれないだろうと、信用できますよね。
金利が低ければ国債で得るリターンは小さいですが、金利が高ければリターンは大きく、リスクも極めて小さいという状況になりますね。
そしたら、国債よりもリスクの高い株からは資金が抜けるでしょうね。
②金利が上昇すると現在価値を算出する際の割引率が高まる
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
こちらについては、少々難しいため、説明が必要と思われます。
まず、理論的に株価は、どのように計算されるかというと
株価=利益(配当)/金利
という計算式で算出されます。
どうして株価を金利で割るかといえば、
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
お金の価値は、今と1年後とでは、違ってくるからです。
当然、お金は時間的に手元に近ければ近いほど、価値が高くなります。
そのため、将来のお金を現在の価値に換算するときは、割り引いて考えないといけません。
その際に、使われる割引率が金利です。
株価=利益(配当)/金利
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
なので、分母の金利が上昇すると(企業の業績は一定でも)、株価は下落する、ということになります。
金利が上昇すると、将来のお金を現在のお金に換算したときの価値がさがるため、現在から将来のお金の集合体である株価も下がる、という算段です。
とても分かりやすく噛み砕かれているように思います。
かぶぴ解釈例)
今、あるお酒を100円で買うとします。
1年熟成させると、120円で売れる見込みとします。
これは、20%の価値上昇を意味します。
金利が上がると、今の120円より将来の120円のほうが価値が低くなってしまうので、
20%の価値上昇が見込めなくなります。
つまり、20%の価値上昇を見込んでいたのに、金利が上がるとそのリターンが見込めなくなる。
ので、享受するリターン水準を維持するには、今のお酒は100円以下で取引されるべきですね。
ちなみに、金利が上昇すると、グロース株が特にやられる、という話を聞きますが、一連のツイートを読んだ方ならすぐに理解できるかと思います。
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
グロース株は、将来お金を稼ぐパワーがある企業の株なので、手元にキャッシュがあるわけではありません。
米国株でいえば、ジョンソンアンドジョンソンのような、手元でガンガンとキャッシュを稼ぐ企業と比べ、グロース株は設備投資などにお金を使ってしまうため、手元にお金が潤沢にあるわけではないです。
— Joker@20代投資家(共働き×投資) (@joker_inves) 2021年2月4日
金利が上昇すると、JNJのようなディフェンシブ銘柄に比べ、グロースはやられやすいということです
まさに書いてある通りのことで、まとめる余地もありません。
が、一応自身なりの解釈。
ハイパーグロース株は、「将来の稼ぐ力」に期待を寄せた値付けがされています。
いくら100%/年で成長するとしても、金利上昇のスピードが速ければ、実質の成長速度は落ちることになりますね。
これを実際に、ハイパーグロース株の値動きと金利の関係をもとに視覚化した方がいらっしゃいます。
下記ノートです。面白いです。
金利上昇はバリュー株にネガティブ
先のツイートを見ると、グロース株【だけ】にネガティブとは書いてませんでしたね。
そう、相対的にグロース株がやられやすいだけで、バリュー株だってやられるのです。
これを明快に解説していたのが、@DcfMaster さんです。
株価を計算するロジックをちゃんと理解していないと、重要な材料を逃すことになる。
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
金利上昇→割引率→割引の影響が多いグロース株の株価を押し下げ?
だとしたらバリューも下がるよ。多少程度の違いはあれど。むしろ債券的性質が意味を失うからもっと下がるかもよ。
問題はリスクテイク能力。
割引率は、投資家がリスクに対してどれくらいリターンを要求するかという数字。金利の関数という認識だけだと間違う。
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
これはCAPMの誤解かな。
もしあなたが楽観的ならそれだけで割引率は下がる。悲観的なら上がる。金利が一定でも。
じゃあなぜグロースか?
グロース株の価値を構成するEPSなどの業績も、楽観悲観で変わるんだ。
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
未来の予測なんて完全じゃないから、
株価=業績×マルチプル
だけど、マルチプルだけが期待の関数だと思ってる人が多い。
業績も当然期待の関数。正確には
(堅い利益+緩い利益)×マルチプル
もっと整理できるけど。
堅い利益以外の後半二つに頼ってるグロース株は、
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
投資家のリスクテイク能力が下がってきたら真っ先に下がる。
ただそれは金利が多少あがるとか関係ない。市場には現金ぶち込まれてるからお金借りてくる必要もないしね。
重要式が述べられていますね。ここに自分の解釈を加えておくと、
株価=業績×マルチプル
業績=function(期待の関数)+堅い利益
マルチプル=function(期待の関数)
この期待の関数への依存度が大きいのがグロース株。
バリュー株は期待が小さく、ほぼ堅い利益と低いマルチプルで取引されますね。
そして、株価とモメンタムの関係。
わかりやすいグロース株を対象に。
悲観的なモメンタムでは、リスクに対する要求リターンが大きい
(投資家は許容リスクが小さい、ローリスク志向)
→高リスクなハイパーグロースは株価が下がりやすい楽観的なモメンタムでは、リスクに対する要求リターンが小さい
(投資家は許容リスクが大きい、ハイリスクもok)
→高リスクだがハイリターン期待が高いハイパーグロースは株価が上がりやすい
ということで、私は相場の先行きをツイートすることはしないのです。
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
センチメントを侮ってはいけない。謙虚にサインを探すことしか私にはできないから、いつ下がるとか発言できないんです。
ただアドバイスできるとしたら、自分のセンチメントがついていかないならもう降りていいということ。
センチメントや業績の情報を、株価の単位にある程度翻訳できたら、そういうことができるようになる。
— DCFマスター (@DcfMaster) 2021年2月6日
それをバリュエーションといいます。私はそこだけに注力します。
他の部分は優れている人がいっぱいいるから。
バリュエーション分析では、これからはセンチメントも織り込もうと思います。
とはいえ、私はざっくりと「許容バリュエーション、PER、PSR」という言葉を使っているように、意識している側面もあったので、確度を高めていきたいです。
金利上昇中でも株高は続くという見解
そんなわけで、解説してきた金利と株価の関係。
今まさに、ヒタヒタと金利が上がっていますね。
そのため「暴落来るのでは!」という声がみられますが、
株高は続くのでは?ということを、金利の観点からも説明された方がいます。
@ABC87791035 さんです。
金利高はグロースにもバリューにも悪い。これは感覚的にもわかるし、企業価値算定方法がわかっていれば当たり前のことでもあります。。以前にグロースの成長率が金利よりも高ければ今の金利水準を気にする必要はないとツイートしました。今回は株式需給から金利高について説明します。リーマンショック
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
後、米国市場において個人部門の株式売買はフラット、年金部門が2兆ドルの売り越し、事業法人部門が4兆ドルの買い越しです。事業法人の買い越しの理由は主に自社株買いだと想像できます。米国株高の原動力は自社株買いだったわけです。自社株買いの理由としてはROE向上があります。
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
ROE分解式を確認してもらうと財務レバレッジを高めること(借金をして自社株買いをする)でROEが上がります。つまり金利上昇は自社株買いにとってはネガティブです。ではどこまで金利が上昇するとネガティブかは1つの目安として企業成長率より金利が上昇した時と仮定できます。(税効果などを考慮せず)
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
次に米国債の売買動向ですが、年金部門が圧倒的な買い越し、FRBも買い越し、海外投資家が圧倒的な売り越しです。海外投資家の売りは中国でしょう。これは貿易拡大によるドル需要かもしれません。それであれば一時的な金利上昇かもしれません。米国金利が上昇で邦銀や生保の米国債需要は高まります。
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
とにかく金利上昇は盲目的に株高に悪いと考えず、金利上昇の質を見ることが重要です。景気拡大期待における金利上昇、景気悪化により債券発行増による需給悪化を原因とした金利上昇、オイルショック時のようなスタグフレーションによる金利上昇。現在が景気拡大期待による金利上昇であれば良い金利上昇
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
です。暴落が来るというのは宣伝文句としては悪くありません。占いでもノストラダムスでも、昔の映画「日本沈没」も恐怖を煽れば商売になります。暴落は昨年3月に来ました。今、暴落と主張しているインフルエンサーは3月の暴落前に暴落すると予想してました?(フォローしてなかったのでわかりません)
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
私が暴落説を否定する理由は、コロナワクチン効果が出るころには自社株買いが再び活発化すると推測しているからです。
— ABC Trader (@ABC87791035) 2021年2月6日
大変為になるスレッドでした。
金利上昇の”質”という観点では考えたことがなかったので、大変勉強になりました。
以上となります。
それでは、引き続きパフォーマンスの向上に努めましょう。