【$INMD -2】インモードは医療機器のグロース株!seeking alphaによる分析記事を考察
本連載:インモードの銘柄分析は、noteにて増補集約版を執筆しました。
こちらも併せてお読みいただくと、より理解が進むと思います。
私のヘルスケア投資として、最もポジションが大きいのがインモードであり、投資判断を確固なものにするべくリサーチ中。
下記に示す第一回目に、まずはどんな会社か?を述べました。
調べてみると、2021.01.03に、seeking alphaでInmode ltd. の分析記事が載っていました。
無料ですが、優良級のリサーチ記事だと感じました。一読推奨します。私は、これを読んで、InModeが美容医療業界を牽引するリーダーだと見ました。よって、徐々にMyPF内での比率を高めることにします。
オニールが述べたように、成長株投資ならば業界の主導株に乗るべきです。InModeは美容業界の主導株といえ、成長株投資に適格です。
記事はこちら。別タブで開くと便利です。
A Multi-Bagger Stock In The Making: InMode Has All The Right Traits
https://seekingalpha.com/article/4397095-multi-bagger-stock-in-making-inmode-all-right-traits
今回は、投資判断の糧にすべく、着目すべき点をピックアップし考察を加えたいと思います(本当は全文翻訳しましたが、著作権上、翻訳記事はNGのようなので…原文見つつ、でお願いします)。
【InModeの概要】
第一回記事と被るので、ほぼ割愛。気になった点を列挙しますが、
- InModeは美容医療デバイス業界をけん引するリーダー企業である。
- 資本に対するリターン比率が高い。戦略的かつ慎重さゆえに、強固に育ったバランスシートを有するアセットライトビジネスを展開。
- 自社株買いプログラムを開始。
- 会社は創業者主導で運営。このような企業は、過去に市場平均をアウトパフォームしてきた。
- インサイダーがInMode株の大部分(~42%)を保有。これはかつてのFBやAMZNなどを彷彿とさせる。
- ロックアップ後含め、1年間自社株の売却なし。自社の成長への揺るぎない信頼を象徴する。
- 投稿段階で、原文著者が保守的に見積もった適正株価は45~53USD
創業者主導…のくだりは、下記記事が参考になります。hbr.org
【投資を後押しする良好な財務状況、パフォーマンス】
- 32%と高いCCR(自己資本利益率)→ガンガン利益を生むビジネス。
- 2017年上場来、一貫して高水準(80%以上)のグロスマージン。自社製品の価格を、業界内の価格競争から守り通した。コロナ禍でも維持した。
- 低く抑えられた設備投資→売上の大部分がフリーキャッシュと化す。
- 高い成長率→コロナ禍を除けば、どの四半期も成長してきた。
- 負債のない強固なバランスシート→強気にビジネス展開可能。
- コロナ影響で売り上げ一時低迷も、2020Q3までに起こった積み上がり需要による売り上げで巻き返し、成長を再開。→ビジネスに柔軟性がある。
【潜在的なマルチバガー特性】
本記事によれば、次のような点がマルチバガー株としての資質といえる、と。
※INMDのPERは、現時点で約27倍。成長株としては高くない。
一方で、100バガーは難しいだろうとコメントされています。100バガー株の平均時価総額5億ドルと比較して、INMDの時価総額が既には約15億ドル。既に3倍成長したと見て取れるからです。とはいえ、うまくいけば33バガーになるのでは?
夢のある話。しかし記事を見てもらえれば分かりますが、YtoY25~30%の企業だと、この域に達するには25年くらいかかると見積もれそうですがね…
成長を続ける限りは買い増しの戦略が良いかもですね。
【コロナ禍での会社動向】
ここは私自身、気になるところでした。次の一文と、競合他社の比較画像がとても参考になりました。著作権問題に触れたくないので、原文開いてない方は下記から飛んで見てみて下さい。
https://seekingalpha.com/article/4397095-multi-bagger-stock-in-making-inmode-all-right-traits
- 2020Q2は前年同期比で21%の減収。しかし着目すべきは、競合他社よりもはるかに優れた業績を上げ、高い収益性を維持した点にある。
- 2020Q3は、前年同期比で49%増収。これは過去最高記録の収益、キャッシュフローである。さらに100万株の自社株買戻しプログラムを開始。
- Moshe Mizrahy氏(InModeのCEO):「競合他社が事業を縮小していたが、平時通りビジネス拡大へ投資し続けるのが最善だと考えた」
アナリストから、今後の自社株買いの可能性を質問され、可能性があると示唆したとのこと。
【今年のInMode需要】
- 9月頃には、美容医療の需要が弱まるアノマリーがある。しかし今年は9月以降も強い需要が続いた。
- 予想1:コロナ禍で、例年は学校再開等で生じる需要落ち込みがなかった?
- 予想2:コロナ禍でお金の使い道がなく、美容医療に流れている?
これは、どうなんでしょうね?特需なのか?InModeに対する純粋な需要高まり?今後1年間、成長が垂れないか注視する必要がありそう。
長期成長で見ればポジティブですが…1年先くらいで見据えるなら、特需影響で業績が跳ね上がった影響は来期の成長率低下という形で現れると予想します。これにより、短期的に下落トレンドに転じうるかも。
【同業他社との比較】
ここは絶対に見るべきです。InModeの優位性は圧倒的です。本当に、圧倒的としか言いようがなく、競合してるのか?と疑うレベルです。
https://seekingalpha.com/article/4397095-multi-bagger-stock-in-making-inmode-all-right-traits
思わず興奮してしまいましたが、美容医療業界を牽引するリーダーとして申し分ありません。かのオニールが語ったように、グロース株投資で狙うべきは、業界を引っ張る「主導株」です。
他社の10倍以上大きな時価総額、べらぼうに低い設備投資比率、驚異のグロスマージン85%、直近YtoY29%、業界最低ほぼタイの在庫保有日数、業界最高のクイックレシオ、そして黒字経営。資本を投下すれば儲かる。
…惚れ惚れします。
補足:設備投資比率に関して
たったの0.34%しか支出がない。ビジネスを続ければ、当然設備は劣化するので、修繕や改築、増強のために再投資を要します。初期コストがほぼないのですから、再投資もほぼありません。儲けをバクバク食べる設備がなく、ほとんどフリーキャッシュフローと化すビジネスであることが想像できます。
※原文に述べられる通り、そもそもこの業界は設備投資比率が小さいとのこと。それでもなお、競合他社より低いです。
補足:グロスマージン
85%は正直気持ち悪いレベル。いい意味で。製造業とは思えないですね…。ほぼ利益の塊を売っています。
これ、会社のプレゼンテーションでも押し出していたので、会社も強みと認知しているでしょう。逆にこれが垂れてきたら、お?まずいかもな…と注視すべきかも。
補足:YtoY
競合他社は過去12か月で減収に転じたのに対し、インモードだけプラス。コロナ禍でこの成長率は、かなりすごい。
しかし先に述べたように、特需の可能性もあるので、手放しで喜ぶべきでないと思いました。上振れの可能性も十分あるということです。
補足:企業売却日数
売れていない在庫はリスク資産です。家電のように、入れ替わりが激しい分野を想像してください。旧モデルは安くなりますよね?在庫回転が悪ければ、本来想定していた利益を享受できません。
ほか、InModeは、競合他社リスト内で唯一フリーキャッシュフローがプラス、純利益プラス、投下資本利益率がプラスです。
※CROIC=フリーキャッシュフロー/(平均負債+平均資本)。ほかの計算法もあり。
競合他社が提供するメニューとの比較も絶対に見るべきです。所感として、キーワードは脂肪除去と低侵襲。
- 脂肪除去が圧倒的に強い。除去率、レビュー、施術コスト、どれも優位。
- そのほかのメニューでは、価格競争力や効能で優位点は見られないように見えるが、低侵襲や非切開での施術を可能というプレミアムを提供。
誰しも、施術後にキズを残したくないものです。InMode社の製品が低侵襲性であることは、明確なセールスポイントですよ。
有名人も愛用しているとのこと。ブランドの周知に効きますね。ブランドアンバサダーはポーラ・アブドゥル(米国のダンサー)。
ほか、キムやクルトニー・カーダシアン、アンバー・ローズ、ノア・サイラス、ペイジ・ハサウェイなどの名前が挙がっています。
【美容医療市場の予測】
marketsandmarkets.comによれば、世界の美容医療市場は、成長が予測されています。
2020年:94億ドル
2025年:159億ドル
成長の要因予測は、
- 低侵襲・非切開プロセスの美容外科の人気増
- 低侵襲・非切開プロセスを提供する医療機器のさらなる革新
- 男性における美容治療の需要の高まり
成長阻害要因の予測は、
- 美容外科プロセスに関する臨床リスク、合併症
- 代替美容や化粧品の発展、需要拡大
とのこと。InModeへの投資で美容医療の成長に順張りできると言えそうです。
INMDの時価総額は約15億ドル。世界の医療美容市場は2025年までに159億ドルに達する見込み。InModeの成長余地は、多く存在しそうです。
【大株主の素性】
マイケル・クラインデル(最高技術責任者兼ディレクター)とモシェ・ミズラヒ(最高経営責任者兼取締役会長)は、2人とも2008年にInModeを共同設立しました。2人で29%保有しています。
彼らは、Syneron Medical Ltd.の共同創設者でもあります(2001年~2007年)。彼らは、美容医療企業のマネジメント経験を有します。頼もしいですね。
保有率第3位はイスラエル・ヘルスケア・ベンチャーズ。管理者が取締役会の一員ということで、上位3つを合計した約42%がインサイダー保有です。これは高いですね。
保有率第4位のスティーブン・マルホランド・ファミリー・トラストも興味深い人物ですよ。
スティーブン・マルホランド博士はカナダの形成外科医(および元ホッケー選手)とのことです。著名な形成外科医からの多額投資があるということで、この企業への期待がうかがえます。
【InMode への投資で発生するリスク】
美容医療業界は、競争が激しいとのこと。
INMDの2019年度年次報告書からかいつまむと、
- 競合他社多数→価格競争に巻き込まれ、利益率低下→財務状況と業績を悪化させる可能性
- 合併・統合が進む業界内では、InModeも買収を進めるべき。しかし買収戦略がうまく機能しないリスクがある。
とのこと。業績の推移見ながら、ここの動向はチェックしようかなと。
あと、株価のβ値が高い。つまりボラリティは市場平均より大です。エントリーポイントを見誤ると、短期では大損するかも。
個人的な結論ですが、強く、強く買い判断をします。以降、もっと掘り下げて分析し、ターゲットプライスを定めてみようと思います。